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Modeling Objects Recycling System(MORS)

構想企画書 version 1.04 97/8/5

Ryoichiro Debuchi

atom co., Ltd.

1) Introduction

CGデザイナーとはハードワークな職業である。世間では一番ハードな職業は看護婦であると言われているが、実はCGデザイナーのほうがハードであると思う。本来組合ができても良いところでなのだが、まだできて10数年ほどの職業なので、そこまで行かないようである。
世界中のCGデザイナーの仕事を少しでも軽くする良い方法がある。CG作成において、たいていの仕事はやりっぱなしである。必死で作ったmodelingデータはコンピューターの中に眠り、そのうち、MOやフロッピーの中に眠ってしまう。
この世界中のCGデザイナーが貯め込んでいる大量にあるはずのデータをうまくリサイクルして活用することはできないだろうか?
現在のインターネットやVRML(Virtual Reality Modeling Language)の技術を使えば、そうゆうシステムを作ることは十分可能なはずである。

2) MORS(Modeling Objects Recycling System)の構想

コンピューター内に仮想的に作られる3D modeling dataのことを modeling objects (MOs)と呼ぶことにする。
現実世界に存在するものは、近い将来すべてMOs置き換えられ作られるはずである。もちろんない物も作られる。これらMOsは世界中のCGデザイナーにより、何度もさまざまな形に手直しされ、更に爆発的に増加していくと見られる。

現在のVRML,ゲーム、あるいはリアル コンピューターグラフィックス アニメーションの市場の拡大によって、更に大量のバーチャルな世界を構築するためのデータが必要になると見られる。またコンピューターの性能もどんどん良くなるので、これらの世界は更にデーターの複雑さやobjectの数も増え、よりリアルになっていくであろう。とすると、これらの世界を常に一から作っていく事は、更にハードワークになっていくと言うことである。

映画を作るとき、小道具や大道具を借りてくるように、MOsを持ち回りにできないか?
現在、View Point社のように、モデリングデータを販売している会社はすでにある。しかし、中央集権的にMOsを集め販売するよりも、MOsを各ユーザーのサイトに分散して保持し、各ユーザー間でデータをやりとりするのが、インターネットの世界にふさわしいやり方であろう。
これを、MORS (=Modeling Objects Recycling System)と呼ぶ事を提案したいと思う。

それはインターネットでhtmlやvrmlデータをやりとりする方法を参考にすれば良いはずだ。各ユーザー間でMOsを売り買いする方法と、会員制にしてfreeにする方法が考えられる。
何かの仕事で車のデータがすぐ必要になったとする。「だれか〜、車のデータもってなかったっけ?」と社内で問い合わせるよりも、全世界に「いい車のデータもってない?」と問い合わせるほうがいいに決まっている。
合法的に手にはいるデータでイメージ似合ういいものならば、何を使おうとクライアントにとってはどうでもよいことである。

MORS Concept

3.1) MORSのビジネス

MORSをビジネス化するには次の方法が考えられる。

(1) Yahooのような、VPsの検索/マネージメントの総本山のサイトを構築する。
例えば、「car」と入力すると、世界中のデザイナーが製作してドメインしている自動車のリスト(あるいは画像など)がウインドウに現れる、など。
(2) MORSを使うためのソフトを配布、または販売する。
a.1) MOs を売りに出す(publish)ためのソフト。
a.2 ) MOsは世界共通のVRML形式であるべきなので、現存するいろいろなモデリングデータ形式(SOFTIMAGE,LightWaveなど)をVRMLに変換するソフト。(いくつかは現存)
b.1) MOsを購買し、それを使ってシーンを構築するソフト。
b.2) VRMLデータから現存するいろいろな3DCGソフトのシーン/モデリングデータに変換するソフト。

3.2) MORS Scene Composite Tool

MORSの検索システムはVRMLの3D世界を用い、例えば、いろいろな専門店の中に入り、棚から好きなMOsを選んで取り込む形がふさわしい。
その時、MOsをVRMLのブラウザからdrag/dropすることにより、画面内の別のMORS Scene Composite Tool のウインドウに、そのMOsを引き出し、配置することができる。ユーザーはこれを、適当な大きさにし、大ざっぱに配置してから、各々の使用している3DCGソフトのデータにコンバートして、更に手直ししていく。

VRML,HTMLブラウザ内での、MOsの各ショップでのMOsの表示には、
a.) textとしてのインフォメーション
b.) 静止画
c.) アニメーション(一回転とか)
d.) VRML(簡単バージョン)
などが考えられる。

MORS Scene Composite

3.3) MORS 検索システムのためのVRML ブラウザ

MORSの検索ブラウザは、NetScapeのような2Dで、画像とtext、時に動画などを付け加えていくだけでも十分である。
しかし、MORS検索ブラウザで3D仕様とするにはどうすればよいか?
VRMLブラウザによるMOsのリスティングは2Dの場合をモデルにして考えればよい。
NetScapeの例えばYahoo で、あるタームをサーチすると、それに関連するURLが1Pにリストとして現われる。多いときにはnext pageと続いていく。
これは、サーバーがCGI(Common Gateway Interface) スクリプト プログラムによって、個々のクライアントの要求を満たすHTMLを自動生成で作成して送ってくるのである。

3Dで同様に考えれば、サーバーはクライアントの要求(例えば『car 』をリストアップせよ)を満たすMOsのリストをエキスパートシステムなどで集め、VRMLの基本構造データを計算して自動生成する。そして3D空間をますめに分割したバーチャルな棚の各ポジションに、inline機能によってそれぞれのサイトからMOsの簡単バージョンのVRMLやその他のデータ(HTMLへのリンクとか)を呼び出して配置する。
 目に入るMOs空間がHTMLの1Pにあたるとすると、視点が近くの別の空間に移動したときは、またその3D空間の3Dますめを満たすMOsのリストを決定してinline機能でVRMLデータを読みこんでいけばよいはずである。
現段階においてVRMLのカメラの位置情報がサーバーに返されないというならば、単にnext shelfと言うアイコンのオブジェクトをクリックすると(上下左右などにある)関連ある別の棚が呼び出される、というふうにしてもよい。

4) 近い未来のCGデザイナーの仕事

(1) MORSによりMOsを集めてきて、ラフなVRML世界を構築する。
(2) 各ユーザーの使用しているCGシステムにデータを変換して、更に細かく修正や作り込みをする。MORSにないデータは、デザイナーが新たに作る。
(3)修正したモデルや、新たに作成したMOsをMORSにpublishして戻す。

いわゆるサイバースペースという世界規模のデータ貯蔵庫から、自分のほしいデータをもらってくる。そしてまた自分もサイバースペースにデータを付け加えていく。
現在のインターネットは世界中の人が、勝手に自分の看板を乱立させているだけのようなものだ。VRML になってもそれが3Dになっただけでは、たいして変わりはない。いま一つ何が実用的なのかわからない。
データのダイナミックな移動ということ、良く考えればこれがインターネットの本来目指していたことのような気がする。

5) 問題点

(1)MOsをユーザー間で売買するとしたら、そのシステムは?(インターネット ショッピングと同じ問題)
(2)買ったものをそのまま売りに出されてしまったらどうするか?
(古本屋と同じ問題)
解決案:
<1>常に売値を買値より安くする。
<2>MORSを登録制にする。
<3>MORSは一種のボランティア協力体制として、お金のやりとりはしない、とする。
または、例えばMOsをvrmlとあるソフトメーカーのデータに限るなどして、そのユーザーに入るメリットを強調する。(そのソフトメーカーのユーザーになればMORSが使えますよ、など)
    <4>ジオメトリデータにクレジットを埋め込む(情報隠蔽)の技術を使う。

(3)世界中のCGが同じようなものに収束してしまわないか?
−>MORSは使用できるツールの一つである。オリジナルにこだわる人は、やはりオリジナルな自分の世界を作るはずである。
むしろ、レトロウイルス(蠅の遺伝子を猿にくっつけたりする)の出現により、生物の大進化が起こったような効果を期待できるのでないか?

あなたがサイバースペースの中に放った小さなキャラクターのモデルが、見知らぬ人の間を転々と渡り歩くうちに、想像もできないようなものに進化してまた自分の元に返ってくるかもしれない、と考えると楽しくなってきませんか?


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